研究ブロジェクト2020年度の主なプロジェクトは以下のとおりです. 1. JST CREST 人工知能領域 「多施設大規模脳波データによるてんかん診断支援AIの構築」(研究代表者:田中聡久) 2. 科研費 基盤研究(A)「大規模脳波データとキャリブレーションレスモデルの構築による意思伝達BMIの実現」(研究代表者:田中聡久) その他,科研費分担数件,民間企業との共同研究数件を実施しています. 研究概要田中聡久研究室で取り組んでいる研究テーマは,「生体信号情報学(Biosignal Informatics)」です.生体信号情報学は,生体から計測できる信号から得られる情報,および処理に必要な科学的知見(情報)を総合的に取り扱う学際的分野です.特に,生体信号のスモールデータ性を克服できる技術開発,それを用いた科学的発見を目指して研究しています. (以下は researchmap より) 脳機能計測(主には脳波)とそのための信号処理・機械学習やブレイン・マシン・インタフェースを得意としています。生体計測から信号処理理論まで一貫して研究できるのが強みです。 脳機能計測では、人間と音楽の関係について興味を持っています。人が音楽を聴くとき何が起きているのか。人が音楽を奏でるとはどのようなことか。特に、リズムに焦点を当てたアプローチをとっています。 ブレイン・マシン・インタフェースでは、周期的な刺激を人間に与えたときの脳波をリアルタイム解析する技術を研究しています。これによって、見るだけでロボットやコンピュータを動かせることができるようになるだけでなく、脳機能の解明、脳外科手術時のモニタリングに応用できるようになります。さらに、てんかん診断の支援に信号処理・機械学習を応用する研究に力を入れています。てんかん専門医がより効率的に診断・治療できるようになったり、測定した大量の脳波を適切にスクリーニングできる技術の確立を目指しています。 ビッグデータは機械学習技術に革命をもたらし、さまざまな応用技術が生まれました。ただし、ビッグデータの恩恵を受けられるのは、インターネットで情報を収集できるようなわずかな種類のデータ(画像やテキストなど)です。それ以外の入手困難なデータ〜スモールデータ〜たちは、データの海でプカプカ浮いた状態です。ビッグデータで得られた知見を、如何にスモールデータにも適用するか、それが信号処理研究者としての私の課題です。 研究内容音楽認知機構の解明人間が音楽を鑑賞しているときの脳活動を解析しています.また,想像している音楽や想像している音声を推定できるような諸技術について研究しています. てんかん患者(またはその疑いがある方)の脳波を機械学習的手法で学習し,専門医の技術や知識をAI化する研究です. スモールデータの信号処理アルゴリズム脳波などの生体信号は大量に観測することできない上に,オープンデータ化が困難です.このようなスモールデータ性を克服できる信号処理・機械学習アルゴリズム創り出します.脳波や生体信号に応用することで,実用に耐えうるアルゴリズムを設計します. マルチモーダル生体信号処理複数の電極を用いて,脳波だけでなく,眼電図や筋電図を計測,処理するための信号処理アルゴリズムを創出します. ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)/ ブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)脳活動を,頭皮脳波により記録し,その意味や解釈にもとづきロボットやコンピュータを動かしたり,ユーザに結果をフィードバックします.特に,視覚や聴覚に関するブレイン・コンピュータ・インタフェースについて研究しています. ニューロリハビリテーション脳卒中などで体に麻痺が残ってしまった患者さんの運動機能を回復させるためのBMIを構築します. 研究実績こちらから論文リストを見ることができます. |